水いぼ
■水いぼって?
水いぼは「伝染性軟属腫」というお腹や背中を中心に小さないぼ(軟属腫)ができる皮膚の病気です。
おもに夏場に流行し、幼稚園や保育園、小学校に通うお子さまに多くみられます。感染力が強く、一度できると全身に広がりやすいので注意が必要です。
ウイルスへの感染が原因となる病気ですが、いぼができる以外に特徴的な症状がなく、初期には見落としやすい病気でもあります。
■水いぼの原因
伝染性軟属腫ウイルスが、毛穴やけがや乾燥などで傷ついた皮膚に感染することが原因です。慢性的な湿疹やアトピー性皮膚炎のお子さまは、肌のバリア機能が低下しているため感染・発症しやすいともいわれています。
いぼの中にはウイルスを含んだ水が溜まっており、いぼを触った手で手や足など体の他の部分を触るといぼはどんどん広がったり、他のお子さまに移ったりします。感染力が強いので、いぼを触らないようにすることや、プールや水遊びをする際にビート板やおもちゃ、タオルの共有を避けて周りの人に移さないことも大切です。
■水いぼの症状
おもな症状は半透明のツルツルとした水いぼができることです。
気になって掻いたりすると炎症を起こすこともありますが、水いぼ自体には通常かゆみや痛みはありません。
<水いぼの特徴>
・2~5㎜程度の大きさ
・水いぼの中心が少しへこんで見える
・中に水を含んだように見える
・光沢がありツルツルしている
・肌色からやや白みがかった色
■水いぼの治療
水いぼの治療には「薬を塗る」「薬を飲む」「摘除する」の3つがあります。
当院では「薬を塗る」治療を行っています。
1日2回、朝と入浴後に銀イオン配合のクリームを水いぼとその周辺に塗布します。
早ければ2週間、通常は2ヶ月前後でクリームを塗布した水いぼが赤くなり、そこから1ヶ月前後で徐々に水いぼが消えていきます。
<銀イオンクリーム(M-BFクリーム)の特徴>
銀は強い抗菌作用があり、抗生剤の10分の1以下の濃度で細菌や真菌、一部のウイルスに効果があることがわかっています。抗菌作用は強いものの人体への害はなく安心して使用できる物質です。
また、毎日薬を飲ませたり、ピンセットで水いぼを摘まむ痛い治療に耐えたりする必要がありません。
保険適用外となるため、クリームの費用(1本2,000円(税込))を受付にてお支払いください。
■水いぼができたら注意すること
水いぼは夏場によく流行る一般的な病気です。しかし、感染力が非常に強いため、体中に広がったり他のお子さまに移したりしないように以下の点に注意しましょう。
・爪を短く切る
水いぼの中にはたくさんのウイルスが入っています。
爪で引っ搔いて水いぼを潰さないように爪はこまめに切っておきましょう。
・タオルを共有しない
タオルや衣類、おもちゃなど物を介してウイルスが感染します。
家族間であってもタオルは共有せず、毎回新しい清潔なものを使うようにしましょう。
・皮膚を清潔に保つ
皮膚のバリア機能が低下すると症状が悪化します。
汗をかきやすい季節のため、こまめに汗を拭き入浴後は保湿を行い乾燥を防ぎましょう。
水を介しての感染はしないため、プールに入っても問題ありませんが、浮き輪やビート板などにウイルスが付いていると物を介して感染するため、水いぼがある間は共用を避けましょう。
水いぼは放っておくと1年程度で完治する病気といわれており、摘除には痛みや出血を伴うこともあるため、何もしないことも治療の1つです。ただし、感染力が強い病気のため、周りの人に移さないための予防や治療も大事だと考えています。当院では痛みの無い銀イオン配合クリームでの治療をおすすめしておりますので、水いぼができたら広がる前にご相談ください。


