滲出性中耳炎滲出性中耳炎

滲出性中耳炎

■滲出性中耳炎とは

滲出性中耳炎とは、耳の奥に液体(浸出液)がたまる病気です。液体が耳の中にたまった結果、耳が聞こえにくくなります。痛みを伴う急性中耳炎とは異なり、痛みが少ないことが多く気づきにくい場合があります。テレビの音量を上げるようになった、呼んでも返事をしないことが多くなったなど行動の変化があれば、滲出性中耳炎かもしれません。

 

■滲出性中耳炎の原因

滲出性中耳炎は耳と鼻をつなぐ耳管の働きが低下することによって起こります。

耳管の働きが低下する原因として

・急性中耳炎 ・急性上気道炎(風邪) ・扁桃腺の肥大 ・副鼻腔炎

などがあります。

小さなお子さまは耳管が大人に比べて太くて短く、傾斜もなだらかなため、炎症が中耳に広がりやすい傾向があります。また、扁桃腺が大きい場合や鼻水が鼻腔内にとどまる状況でも、中耳の換気機能が妨げられ滲出性中耳炎の原因となります。

 

■滲出性中耳炎の主な症状

・聞こえにくさ

呼んでも返事をしなかったり、聞き間違いが増えたりします。

また、テレビの音を大きくしたり、話し声が大きくなったりする場合もあります。

・眠りが浅い

いびきに似た音が出ることもあります。

 

急性中耳炎のような耳の痛みが現れることは少なく、気付きにくい傾向にあります。

風邪のあとの鼻づまりが強い、耳の聞こえが悪くなっている、耳がふさがる感じがするなどがあれば早めに小児科を受診しましょう。

 

■滲出性中耳炎の治療

滲出性中耳炎の治療は、浸出液の排出と耳管の換気の改善を目指します。

 

炎症を抑える薬や鼻づまりを改善する薬、浸出液の排出を促す薬などを処方します。

内服薬で改善することが多いですが、症状が改善されない場合には膿を除去するための鼓膜切開などが必要になりますので、専門の医療機関をご紹介いたします。

 

■お気を付けいただきたいこと

急性中耳炎と異なり、耳の痛みや発熱といった症状がありません。

日頃の行動の変化を見逃さないことが大切です。

 

・聞こえにくさがある(呼びかけに反応しない、反応が遅い、会話が噛み合わないなど)

・テレビの音を大きくする

・話し声がいつも大きい

・耳をよく触る

・風邪の後の鼻づまりが長引く

 

乳幼児期は特に聴こえの発達に影響を及ぼす可能性があります。滲出性中耳炎は放置すると聴力に影響する可能性があるため、上記のような行動があれば早めに小児科を受診しましょう。ご不安な点や気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。