急性中耳炎
■急性中耳炎とは
急性中耳炎は、耳の奥にある中耳にウイルスや細菌が入り込み炎症が起こる病気です。風邪をひいた際に多く見られる一般的な耳の症状です。急性中耳炎の症状は突然現れ、放置すると耳の痛みや聴力に影響を及ぼすこともあります。
■急性中耳炎の原因
急性中耳炎の原因は、風邪をひいた際にウイルスや細菌が耳管(じかん)という管を通じて、中耳に入り込むことで炎症を起こします。特に乳幼児や小さなお子さまは、耳と鼻をつなぐ耳管が大人と比較して太くて短く、また傾斜もゆるやかであるため、鼻やのどで増殖したウイルスや細菌が耳管を通って中耳に入りやすく、中耳炎を起こしやすいのです。また、鼻づまりやアレルギーも中耳炎のリスクを高める要因となります。
■急性中耳炎の主な症状
急性中耳炎が起きると、次のような症状が現れます。
・耳の強い痛み
頭を動かしたときや寝ているときにひどくなることがあります。
・難聴や耳のもやもや感
一時的に聴こえにくくなることがあります。
・発熱
38℃以上の高い熱を伴う場合もあります。
・耳だれ
にごりのある耳だれが出ることがあります。
泣くほどの耳の痛みや耳がつまった感じがするという症状あれば、早めに小児科を受診しましょう。
■急性中耳炎の治療
急性中耳炎の治療には、鎮痛剤や症状によっては抗生剤を用いて治療を行います。
軽症の場合は痛みを抑える鎮痛剤を処方し3日ほどで痛みがなくなります。
鎮痛剤を服用して3日以上経っても痛みがなくならない、鼓膜の状態が悪化している場合には抗生剤を処方します。抗生剤を処方された場合は、医師の指示にしたがって最後まで飲み切るようにしましょう。
また、治療中は耳に水や異物が入らないように入浴中は耳を保護するようにして、痛みが続いたり、その他の症状が悪化したりする場合は、再度受診するようにしましょう。
放っておいたり、急性中耳炎の治療を途中で辞めてしまうと聞こえが悪くなる滲出性中耳炎に移行してしまうことがあるので、完全に治るまで根気強く治療を行うことが大切です。
■気を付けていただきたいこと
頻繁な耳掃除は外耳道を傷付けることがあります。外耳炎の炎症が中耳にまで及ぶこともあるため、耳掃除を頻繁に行ったりお子さまの耳に無理に触れたりしないようにしましょう。
鼻やのどに着いたウイルスや細菌が中耳に入り込むことで中耳炎が起こります。手洗いやマスクの着用など基本的な感染対策を行うことが中耳炎の予防にもなります。
鼻づまりやのどの痛みが出たときは早めに小児科を受診してください。
耳の痛みや聞こえにくさは、放置すると悪化したり長引いたりすることがあります。
気になる症状があれば、いつでもお気軽にご相談ください。