とびひ(伝染性膿痂疹)
■とびひとは
とびひは水ぶくれが勢いよく広がっていく皮膚の感染症です。正式には伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と呼ばれる病気ですが、火事の飛び火のように広がっていく様子からとびひと呼ばれています。ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌が原因の病気で、かきむしって傷ついたりや乾燥してひび割れたりした皮膚の中に細菌が侵入して起こります。夏に流行しやすい病気ですが、とびひの種類によっては年中見られる病気でもあります。
■とびひはこんな症状が!
とびひには2種類あり、水ぶくれができる水疱性膿痂疹と厚いかさぶたができる痂皮性膿痂疹があります。特に夏に流行しやすいのは、とびひの中でも水疱性膿痂疹で、乳児~幼児の子供によく見られます。
- □水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)
・赤みとかゆみのある水ぶくれ
・水ぶくれが破れるとびらん(ただれ)ができる
・鼻の周りにできることもある
といった症状が特徴です。
赤ちゃんや幼児で流行りやすいのは水疱性膿痂疹です。
- □痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)
・赤みがあり中に膿が溜まった水ぶくれができる
・水ぶくれが破れてびらんやかさぶたができる
・発熱
・のどの痛み
・リンパ節の腫れ
といった症状が見られます。
■原因
肌の小さな傷から細菌が侵入して感染することが原因です。虫刺されやあせもなどかゆみができ、肌をかきむしることで傷ができやすいので夏に流行しやすいです。アトピー性皮膚炎や乾燥肌など肌のバリア機能が下がっていると細菌が侵入しやすくなり、とびひを起こしやすくなります。ブドウ球菌も溶血性連鎖球菌も健康な人の肌や鼻などにもよくいる菌ですが、傷口から侵入するととびひとなって現れます。ブドウ球菌が原因となって水疱性膿痂疹、溶血性連鎖球菌の時は痂皮性膿痂疹をおこします。
■治療について
症状が悪化しないように抗生剤を適切に使うことも治療の大事なポイントです。かゆみが強い場合、かゆみを抑えるお薬を使用することもあります。さらに注意していただいたいことが、患部が広がらないようにしたり、周りの人に移さないようにしたりすることです。感染力が非常に強いため、自身でも症状がどんどん広がっていくだけでなく、水ぶくれやかさぶたを引っかいた手で回りの人に接触することで移ることもあります。肌の露出の少ない服を着る、タオルの共用はしないなど注意しましょう。
またかゆいからとかきむしってしまうと、水ぶくれが破れて液がでてきて症状が広がっていきます。できるだけ触らないようにすることや、しっかり泡立てた石鹸で優しく洗って清潔に保つようにすることがポイントです。
治療の相談だけでなく生活の中での対策の相談も行っておりますので、気になる症状があればご来院ください。