花粉症 名古屋市西区のきとう小児科医院花粉症 名古屋市西区のきとう小児科医院

花粉症

花粉症について知っておきたいこと

花粉症って?

花粉症は、植物の花粉に体が反応して鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状がみられる病気です。アレルギー性鼻炎の一種で、植物の花粉は季節によって飛散する種類が異なるため季節によって症状が出たり、出なかったりするため季節性アレルギー性鼻炎とも言われています。

 

日本では42%もの人が花粉症を抱えており、花粉症の人の9割ほどがスギ花粉症と報告されています(環境省,2022)。最近ではアレルギー性鼻炎の低年齢化も進んでおり、2019年の調査で、5歳~9歳の子どもでも30%、10歳~19歳では約50%がスギ花粉症という報告もあります。

2~3人に1人が花粉症に悩まされており、花粉症はもはや国民病ともいえる病気です。

 

ただし、スギ花粉症が特に多いからと言ってスギ花粉症と決めつけることはできません。自分の症状の出方や季節によって原因となっている花粉の種類を調べることが大切です。

 

季節によって異なる花粉症

季節によって飛散する花粉の種類が異なります。自分がどのシーズンに症状が出やすいか確認してみましょう。

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春の花粉:スギ、ヒノキ、ハンノキ、イネ科

夏の花粉:カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ、ギョウギシバ

秋の花粉:ヨモギ、ブタクサ、カナムグラ、セイタカアワダチソウ

冬の花粉:スギ(11月~3月ごろ)、ヒノキ(2月~5月ごろ)

 

人によっては、複数の種類の花粉に対してアレルギー症状がでる場合もあるため、花粉に反応する季節が組み合わさって年間を通じて症状がみられる場合もあります。また一年中症状が出る場合には、花粉以外のアレルゲンが原因となってアレルギー症状の出る通年性アレルギー性鼻炎の可能性もあるので、自分がどんなアレルゲンに反応して症状が出るのか検査をして確認することが大切です。

 

花粉症の原因

花粉症は特定の花粉を吸いこんだときに症状が出ることため、花粉が原因ではありますがここでは花粉症が起こるメカニズムについて説明します。

花粉を吸いこんだからといって、すぐに花粉症になるわけではありません。アレルギーの素因を持っている人が、花粉を吸いこんだ場合、花粉に対処するための抗体がつくられます。IgE抗体と呼ばれるこの抗体は、花粉の種類ごとに作られ、抗体が一定量溜まると花粉症の症状を起こします。この働きによって、身体が花粉を異物と認識することで、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、涙目などの症状を起こして異物を体外に排出しようとします。

 

花粉症の症状

花粉症の主な症状は、

 

・鼻水

・鼻づまり

・くしゃみ

・目のかゆみ

・涙目

 

です。

その他にも肌に付着した場合に、

・肌のかゆみ

・肌の赤み

・皮膚炎

を起こすこともあります。

 

花粉症の治療

当院で行う花粉症治療は大きく分けて、

1)アレルギー症状を抑える

2)アレルギー症状を起こしにくい状態に体を整える

の2種類を行っています。

1)アレルギー症状を抑える

アレルギー症状を抑える治療では、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の飲み薬を服用したり、症状に合わせて点鼻薬や点眼薬を使用して鼻や目の症状を抑えていきます。症状が起きたら薬を使用することが基本的な治療になるため、花粉症の見られるシーズンに治療を行います。

・抗アレルギー薬

アレルギー症状を抑える薬で、効き目の強いお薬は副作用の眠気が強い傾向があります。

症状の程度に合わせて、服用する薬を調整しながら一人一人の状態や生活に合わせて治療していきます。

・点鼻薬

鼻づまりの解消に効果が期待できるお薬で、鼻腔に直接スプレーをします。

ステロイド剤を含む点鼻薬を長期間使用すると薬剤性鼻炎と呼ばれる状態になり、鼻づまりが長引くこともあるので、点鼻薬の種類によっては使用に注意が必要です。

・点眼薬

目のかゆみや涙目の解消に効果が期待できるお薬で、目に液体をたらします。

 

2)アレルギー症状を起こしにくい状態に体を整える

1)の治療では、「出ている症状を抑える」ことが目的でしたが、こちらはそもそも「アレルギー症状を起こしにくくする」治療です。現在当院では、スギ花粉症とダニが原因のアレルギー性鼻炎に効果の期待できる、舌下免疫療法を行っています。舌下免疫療法はアレルゲンの成分を含むお薬を毎日少量ずつ服用することで、アレルゲンに体を慣らしていき、過剰な免疫反応であるアレルギー症状を起こしにくい状態に整えていく治療です。

詳しくは舌下免疫療法のページをご覧ください。

 

また自分がどの花粉に反応しているかを調べることも大切です。症状の出る状況をお伺いして、どの花粉に反応しているかを確認するため採血検査を行います。当院では、指先から血液を1滴だけ採取して、検査可能なドロップスクリーン®を使用してアレルギーの検査を行うこともできますので、お気軽にご相談ください。

ドクターからのメッセージ

花粉症は症状を抑える治療が基本であり適切にお薬を服用することも大切ですが、まずは花粉に触れにくい環境を整えることが大切です。
・自宅に帰ってきたら、服をはたいてから室内に入る。
・掃除はこまめに行う
・花粉の飛散時期にはマスクやゴーグルを着用する
・花粉の飛散時期に川辺など植物の多い場所は避ける
など、できることから対策をしていきましょう。