新型コロナウイルス感染症
■新型コロナウイルス感染症とは
新型コロナウイルスは呼吸器の症状を引き起こすウイルスです。小さなお子さまは、無症状のこともあれば、風邪のような症状から肺炎のような重い症状まで幅があります。軽症で回復することが多いですが、基礎疾患をもつお子さんや新生児、免疫機能が低下している場合は重症化のリスクが高くなることがあるため、日頃から感染対策をしっかりと行いましょう。
■新型コロナウイルス感染症の原因
新型コロナウイルスには複数の変異株が存在しますが、基本的な感染経路は「飛沫感染」と「接触感染」です。
飛沫感染とは、咳やくしゃみ、会話の際に飛ぶしぶきが鼻や喉に入ることで感染します。
接触感染は、ウイルスが付着した手で口や鼻、目を触ることで感染します。
■新型コロナウイルス感染症の症状
・風邪に似た症状
発熱、せき、くしゃみ、喉の痛み、鼻水など
・呼吸器以外の症状
頭痛、下痢、嘔吐、倦怠感
お子さまの場合は感染しても無症状のこともありますが、重症化すると呼吸困難をひきおこすこともあります。
・発熱が4日以上続く
・呼吸が苦しそう
・顔色が悪い
など普段と様子が異なる場合はすぐに小児科を受診してください。
■新型コロナウイルス感染症の検査
当院では綿棒を鼻の中に入れ、鼻やのどの粘液をぬぐいます。
その粘液を専用のキットに滴下し、マーカーの有無で陽性か陰性かを判断します。
発熱から12時間以内では、体内のウイルスの数がまだ少なく正確な検査結果が出ない可能性があるため、翌日以降の検査をご案内する場合があります。
■新型コロナウイルス感染症の治療
ウイルス感染症の一つであるため抗菌薬は効果がなく、お子さまの場合は経過観察と対症療法が基本となります。脱水症状を起こさないようにしっかりと水分を摂って安静にしましょう。
また新型コロナの治療薬が世の中にはありますが、小児の対象年齢が12歳以上と限定的なことや基本的に時間経過とともに治まっていくことが多いため、当院では処方しておりません。
大人に比べて発熱が緩やかなことが多いですが、38℃以上の発熱がある場合やのどの痛みが強い場合には解熱鎮痛薬を、せきが続く場合にはせき止めを処方します。
■お気を付けいただきたいこと
感染予防のために、外出時のマスク着用や帰宅後・食事の前の手洗いを徹底しましょう。
冬場でも換気を心掛け、窓を開けたり換気扇を活用したりして室内の空気を新鮮に保つようにしましょう。
登園・登校について学校保健安全法により、出席停止期間は
「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」
と定められています。
発熱した日を0日目と数えるためご注意ください。
新型コロナウイルス感染症は、お子さまの場合は軽症で回復することが多いですが、重症化すると呼吸困難を引き起こす場合もあります。発熱や乾いたせき、のどの痛みなど風邪のような症状があれば、早めに小児科を受診しましょう。


