夜尿症(おねしょ)夜尿症(おねしょ)

夜尿症(おねしょ)

■夜尿症って?

夜尿症は一般には、おねしょとも言われる病気で、医学的には5歳以上の子どもで月1回以上のおねしょが3か月以上続く場合に夜尿症と診断されます。特に、お泊り保育や小学校入学を控えたころに気にされる方が多い病気です。

 

■夜尿症の原因

1.膀胱におしっこが溜められる量が少ない

子どもは大人に比べて身体も中の器官も小さいため、膀胱が小さく溜められる尿の量は多くありません。成長するにつれて、膀胱も大きくなっていきおしっこを溜められる量が自然と増えていきます。

 

2.夜間に作られるおしっこの量が多い

夜間に作られるおしっこの量が多い原因は2つあります。

1つ目は抗利尿ホルモンの働きです。抗利尿ホルモンは睡眠中に分泌されて、おしっこが作られる量を少なくする働きがあります。しかし、抗利尿ホルモンが少ない場合はおしっこの量が調整されず、おしっこが膀胱に溜まっていき我慢できなくなっておねしょをしてしまいます。

2つ目は水分の接種量です。寝る前にお茶やお水などを飲む習慣がある場合には、それが原因となっていることも少なくありません。特に緑茶には利尿作用といって排尿を促す成分が含まれているため、寝る前にのどが渇いたときには常温のお水を少量飲むようにしましょう。

 

3.1と2の両方のタイプ

1と2の両方が原因となっていることもあります。

 

 

■夜尿症の症状

夜尿症(おねしょ)は、夜間など自分の意図していないタイミングで排尿してしまうことが症状です。

おねしょそのものよりも、おねしょが原因で叱られたり恥ずかしい思いをしたりして、いろんなことに自信を無くしてしまうことの方が問題です。

 

 

■夜尿症の治療

夜尿症の治療は原因にもよりますが、大きく分けて3つに分かれます。

・飲み薬(内服薬)の服用

夜間に作られる尿の量が多い場合には、抗利尿ホルモンの分泌や働きを促すお薬を使用します。また膀胱の機能に異常が見られる場合には、膀胱の働きを整えるお薬を服用して治療することもあります。

 

・生活習慣の改善、モニタリング

夕食~寝るまでに接種する水分量を減らすようにして、夜間に作られる尿量をコントロールするようにします。また、おねしょ日誌を付けて、治療の状況をお子さまと一緒に確認できるようにモニタリングすることも大切です。「おねしょをしなかった」成功体験が積み重なっていくと、自信がついてきて治療にも積極的になりやすくなります。おねしょ日誌では、おねしょの量や朝のおしっこの量、日中のおしっこの回数、夕食後~寝るまでにとった水分量を毎日記録していきます。当院でも診察時に日誌をお渡ししております。

 

・アラーム療法

おねしょをしたときに、アラームが鳴ってお子さんの目を覚まして自分でおねしょをしたことを認識する治療方法です。一定量の水分に反応する専用のアラームをパンツにセットして、そのまま寝ていただきます。おねしょのアラームで目が覚めることで、結果的に睡眠中に膀胱に溜められる尿量を増やしていく治療です。

ドクターからのメッセージ

夜尿症(おねしょ)は「おねしょをしなかった」「うまくいった」という体験が大切です。おねしょをしなかった日には、目いっぱい褒めてあげてください。成功したという体験が自信や治療のモチベーションアップにつながります。また失敗をしても叱らないようにしてください。夜尿症には体の発達や発育も影響しているため、叱っても一朝一夕に改善するものではありません。時間がかかる治療ですが、お薬や日誌を使ってうまく向き合っていきましょう。