子どもの便秘子どもの便秘

子どもの便秘

■便秘って?

便秘は実は子どもによく見られる病気の一つです。様々なきっかけで便の質が変わったり、うんちが腸の中に溜まって固くなり排便が困難になったりして、便秘になってしまいます。便秘は放っておくと、たまに排便しても再び便が溜まりやすくなるという悪循環に陥りやすいので早めに治療することが便秘に悩み続けないためのポイントです。

 

■便秘の原因

便秘の主な原因は、肛門から内側に向かってすぐのところにある直腸に便が溜まることが原因です。いつまでも直腸や大腸にうんちが溜まっていると、便から水分が吸収されてうんちが固くなってしまい、きばってもうんちを出しづらくなります。また、正常な状態であれば一定量直腸にうんちが溜まると、「うんちが溜まっている」と脳に信号が送られ、便意を感じたり、排便を促す信号が体に発信されますが、うんちが溜まりすぎると直腸からうまく信号が発信されずますますうんちが溜まりやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。

 

この悪循環に陥る前に、まずは定期的に排便をすることが大切ですが、子どもでは様々なきっかけで排便をがまんしたり、うまく排便できなくなることがあります。

例えば、赤ちゃんの時には母乳やミルクを飲む量が少ないと水分が足りなくなってうんちが固くなったり、離乳食に変えたころにうんちの状態が変わってうんちが出なくなる場合があります。また、遊びを優先させて便意を我慢したり、幼稚園や小学校で「恥ずかしいから」「お友達から指摘されるから」と我慢をしてしまうと、便秘になる事もあります。

 

■便秘の症状

便秘の症状はうんちが出ないことと一般的に考えられていますが、うんちは出るがその量や形状に異変が見られることもあります。

  • うんちの特徴

・固いうんち

・コロコロとしたうんち

・少量の下痢が頻繁に出る

 

  • 便秘によって起こる症状

・腹痛

・排便時に肛門が切れる

・排便時に痛がる

・嘔吐

 

■便秘の治療

便秘の治療で大切なことは「溜まった便を出す」「便のでやすい状態を作って維持する」の2つです。

  • 溜まった便を出す

まずは溜まった便を出すことが治療の第一歩です。自然に排便することができることは理想ですが、浣腸を使って便を柔らかくして排便を促します。また赤ちゃんの場合は、綿棒を使って肛門を刺激する綿棒浣腸をすると排便することもあるので、年齢や排便の頻度などによって便の出し方を検討します。

 

  • 便の出やすい状態を作る、維持する

次は便の出やすい状態を作って、維持することがポイントです。便の出やすい状態にするために、整腸剤で腸の環境を整えたり、酸化マグネシウムを服用して便の状態を整えていきます。お薬を適切に服用することに加えて、水分をたくさんとることも便を柔らかくして排泄しやすくするために大切です。また運動をすると、腸の動きが活発になってうんちが出やすくなるので、適度に運動することも意識してみてください。

 

ドクターからのメッセージ

便秘は治療に時間のかかる病気ですので、長い目で継続的に治療していくことが大切です。治療をしっかり続けていくためにはご家族のサポートも大切ですので、うんちがでたら一緒に喜んであげる、毎日の記録を付けて一緒に治療に取り組むようにしていただければ幸いです。便秘の記録方法については、当院でもノートを使って指導しておりますので、便秘にお悩みのお子さまはお気軽にご相談ください。