インフルエンザ
■インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によって起きる呼吸器感染症です。
毎年11月下旬から感染者が増え始め、翌年4~5月にかけて減少していくが流行の程度とピークの時期はその年によって変わります。
インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3種類がありますが、流行するのはA型とB型のウイルスです。通常、ウイルスに感染すると免疫ができウイルスの抵抗力が高まるのですが、インフルエンザは変異しやすく新しい種類のインフルエンザが出てくるため再度インフルエンザに感染して症状が出るということがあります。
■インフルエンザの症状
潜伏期間は1~3日ほどで、その後発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛と咳や鼻水を伴います。また、通常の風邪よりも急激に症状が出ます。
乳幼児や高齢者、基礎疾患のある方は肺炎を起こしたりする可能性があります。
また、小児では中耳炎や気管支喘息などの他、熱性けいれんや意識障害や異常言動などを起こすインフルエンザ脳症を発症することがありますので小さなお子様や高齢者の方の感染には注意が必要です。
■インフルエンザの検査方法
当院では綿棒を鼻の中に入れ、鼻やのどの粘液をぬぐいます。
その粘液を専用のキットに滴下し、マーカーの有無で陽性か陰性、またA型、B型を判断します。
■インフルエンザの治療
症状を緩和する対症療法とウイルスを増やさないようにする抗インフルエンザ薬を処方します。
抗インフルエンザ剤は、発熱後48時間以内に投与しないとインフルエンザウイルスが増殖してしまった後で効果が落ちてしまいます。
当院で処方している抗インフルエンザ剤は、内服薬と吸入薬があります。
投与の方法や回数などは異なりますが、効果に差はありません。
どの薬剤を使うかよりもどれだけ早く薬を投与するかが重要になります。
ご自宅では、高熱で汗をかくので脱水症状予防のためにこまめな水分補給をしましょう。
また、感染力の強いウイルスなのでマスクを着用するなどして周りの人に移さないようにすることも大切です。
■インフルエンザの予防接種
インフルエンザは感染力が強く、特に小さなお子様は発熱によるリスクもありますので予防接種による予防がおすすめです。インフルエンザが流行る前に予防接種を受けることで病気の発症や重症化を抑える効果が期待できます。
インフルエンザワクチンは13歳未満のお子様の場合、2回打つ必要があり、1回目と2回目を2~4週間(できれば4週間)空ける必要があります。
■インフルエンザの受診の目安
インフルエンザは通常のかぜと症状が似ているため、ウイルスの検査の必要があります。
しかし、発熱などの症状が出てすぐはウイルスの数が少ないため、症状が出て12時間以上経過した頃が適切だといわれています。
しかし前述したようにインフルエンザの治療薬の効果は48時間以上経つと落ちてしまうので遅くなりすぎないように注意しましょう。