感染性胃腸炎
■感染性胃腸炎とは
感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌に感染し胃や腸の粘膜に炎症が起こる病気です。子どもは大人と比べて体の免疫機能が未熟なため、感染後に発症しやすく、集団生活の場では感染が広がりやすい特徴があります。多くは軽症で経過しますが、嘔吐や下痢が続くと体内の水分や塩分が失われ脱水の危険が高まります。早期の診断と治療、家庭でのケアが大切です。
■感染性胃腸炎の原因
<ウイルス性>
ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどが代表的です。
冬に流行しやすいことが多いですが、最近では春や夏にも流行することがあります。
<細菌性>
O-157などの腸管病原性大腸菌やサルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオなどが原因となることがあります。
食中毒として発生するケースもあります。
■感染性胃腸炎の主な症状
・嘔吐
突然激しく吐くことがあり、飲み物を口にするとすぐに吐いてしまう場合があります。
・下痢
水様便が頻繁に出ることが多く、便の回数が増えると脱水のリスクが高まります。
・発熱
37.5℃以上の発熱を伴うことがあります。高熱が続く場合は要注意です。
・お腹の痛み
お腹が痛くなる、張る、痛みが波のように起こることがあります。
その他、食欲がない、ぐったりしている、口が渇いている、おしっこの量が減ったなどは脱水のサインです。
■感染性胃腸炎の治療
症状に合わせて、下痢止めや吐き気止め、解熱剤を処方します。自己判断で薬を使用せず、まずは小児科を受診しましょう。
また、脱水を予防することも大切です。経口補水液やスポーツドリンクなど、塩分と糖分のバランスが適切なものを何回かに分けて少しずつ与えましょう。
食欲がない場合は無理に食べさせる必要はありませんが、嘔吐が治まり食欲が回復してきたら、うどんやおかゆなど消化の良い食事から徐々に普段の食事へ戻します。脂っこい食事や柑橘類、甘いお菓子は避けましょう。
おしっこの回数が極端に減る、口の渇きが強い、ぐったりしているなどがあれば、すぐに再度受診してください。
■お気を付けいただきたいこと
感染性胃腸炎の回復には脱水予防が最も重要です。こまめな水分補給と、脱水サインがないかを観察しましょう。乳幼児では特に注意が必要です。
便・吐物にはウイルスや細菌が含まれています。吐物や排泄物の処理には使い捨ての手袋を使用し、処理後には手をしっかり洗いましょう。
また、登園・登校については症状が改善してから、医師の指示を受けて判断してください。
感染性胃腸炎は多くが数日で回復しますが、脱水の予防と適切な治療を受けることが大切です。こまめな水分補給、消化に優しい食事、家庭内での衛生管理を徹底し、症状が持続したり悪化したりする場合は早めに再度小児科を受診してください。