こどもの病気・症状 名古屋市西区のきとう小児科医院 日曜診療こどもの病気・症状 名古屋市西区のきとう小児科医院 日曜診療

ダニアレルギーの舌下免疫療法

■ダニアレルギー性鼻炎

ダニアレルギー性鼻炎は通年性アレルギー性鼻炎とも呼ばれるアレルギー性の病気で、季節を問わず年間を通して症状が見られるのが特徴です。ダニアレルギー性という名前の通り、ダニの死骸や糞に含まれるタンパク質が原因で起こるアレルギー症状で、

・鼻水や鼻づまり

・くしゃみ

・湿疹 、肌のかぶれ

・涙目、アレルギー性結膜炎

が主な症状です。

 

さらに鼻水や鼻づまりが続いていると、顔が重たい感じがする、頭がぼーっとする、呼吸がしづらいといった症状が出ることもあります。

また、鼻が詰まっていることで呼吸がしづらくなると、いびきや睡眠時無呼吸症候群などにつながることもあります。睡眠の質が下がることで、日中に頭がぼーっとする、昼間に強い眠気に襲われるといった症状が出ることもあります。ダニアレルギー性鼻炎による直接的な症状ではありませんが、子供の学習や部活動などの日常生活に影響を与えることもあります。

 

■ダニアレルギー性鼻炎の薬と副作用

一般的にアレルギー性鼻炎の治療では、アレルギー症状が出た時に症状を抑える薬を服用して治療していきます。アレルギー症状を抑える薬は、クリニックで処方される以外にも、ドラッグストアなどでも購入できますが、眠気が出る、喉が渇きやすくなるといった副作用のでやすい成分が含まれていることがあります。

また、鼻づまりを解消するために点鼻薬を使用するという方もいらっしゃると思いますが、市販されている点鼻薬の多くには血管を収縮させて鼻づまりを解消するステロイド剤という成分が含まれており、長期間継続して使用すると薬が効きづらくなったり、鼻炎症状を悪化させることもあります。年間を通じて症状が見られる場合には、ついつい長期的に使ってしまうこともあるので注意が必要です

 

■根治を目指す舌下免疫療法

当院ではダニアレルギー性鼻炎の治療には、アレルギー症状を抑える抗アレルギー剤の服用のほかに、舌下免疫療法を行っております。舌下免疫療法はアレルゲン(アレルギーの原因物質)に対する免疫作用を整えてアレルギー症状を起こしにくくする治療です。予防的な治療のため、症状が出た時に解消する爽快感は得られませんが、アレルギー症状の根治が期待できる治療です。

 

・適用条件

ヤケヒョウヒダニまたはコナヒョウヒダニに対してアレルギー反応がある方

※当院では採血を行って検査を行っております。治療開始前には検査を行い、上記のアレルゲンにアレルギー反応があることを確認する必要があります。

・年齢

5歳以上の方なら治療を開始することができます。

・服用方法

一日一回決められた量のお薬を舌の下(べろと顎の間)に入れて2~3分間保持します。薬が自然に溶けるまでそのまま待ちましょう。

・注意事項

舌下免疫療法は3年から5年と長期間継続する必要がある治療方法です。一日一回必ず決められた量を利用するようにしてください。

服用できなかった忘れていたという場合、焦って一度にたくさん服用するとアナフィラキシーショックなどの重篤な症状が出ることがありますので注意が必要です。服用を忘れた場合には、ご相談ください。

検査結果が出てから適用条件に当てはまる方の場合、初回は当院にて薬を服用いただき重篤なアレルギー反応が出ないかを確認します。2回目以降はご自宅で服用いただき1か月に1回通院いただきます。

 

■舌下免疫療法がオススメの理由

舌下免疫療法はアレルギーの症状を抑えるという治療とは異なりアレルギー症状を起こしにくくする治療です。治療を続けることで、免疫機能を整え、抗アレルギー薬の服用量を減らしたり、薬の副作用を減らすという効果が期待できます。お薬の量を減らしたい方や副作用の症状がひどい方は一度ご相談ください。

ドクターからのメッセージ

舌下免疫療法は体質を改善して根本から症状を起こさないようにする効果の期待できる治療です。ただし、継続しないと効果が出なかったり、服用量を守らなかった場合は、重篤な症状を引き起こしてしまうこともありますので、治療開始前に説明を行い、お約束いただいた方に治療を行います。根気のいる治療ですが、改善が期待できる治療ですので一緒にがんばりましょう。