こどもの病気・症状 名古屋市西区のきとう小児科医院こどもの病気・症状 名古屋市西区のきとう小児科医院

伝染性紅斑

■伝染性紅斑とは

伝染性紅斑は「リンゴ病」とも呼ばれ、頬がリンゴのように赤くなる病気です。1年中見られますが、主な流行時期は春から夏にかけてです。1度かかると免疫ができ2度とかかりません。保育園や幼稚園、小学校に通うお子さまに多い病気ですが、大人も感染する可能性があります。

 

■伝染性紅斑の原因

伝染性紅斑は、「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスに感染することによって起こります。咳やくしゃみによって飛び散ったウイルスを吸い込むことによる飛沫感染や、ウイルスが付着した手すりやおもちゃを触ることによる接触感染によって、人から人へと感染します。

特に、集団生活を送る保育園や幼稚園、小学校などで感染が広がりやすい傾向があります。感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、通常10日から20日程度とされています。この潜伏期間の間にも、感染を広げる可能性があります。

 

■伝染性紅斑の主な症状

伝染性紅斑の症状の多くは、感染してから数日後に現れますが、症状が出ない場合や非常に軽い症状で済む場合もあります。

 

・両頬がリンゴのように赤くなる

・腕や足、お腹、背中に網目状の発疹が出る

 

頬に発疹が出る数日前に、軽い発熱や倦怠感、関節痛など風邪に似た症状が出ることもあります。潜伏期間は2週間ほどで、頬に赤く発疹が出るころには感染力は治まっており、赤みが出る前の風邪に似た症状の頃が最も感染力が高いと考えられています。

 

■伝染性紅斑の治療

残念ながら伝染性紅斑に対する特別な治療薬はありませんが、かゆみが強い場合には、掻きむしることで肌が傷つき、傷口から細菌が侵入して膿むこともあるため、抗ヒスタミン薬などのかゆみ止めを処方することもあります。また、発熱や関節痛がある場合には、解熱鎮痛薬を使用して、お子さんの体の負担を軽くしていきます。

発疹は一時的に消えたりまた出てきたりを繰り返すことがありますが、ほとんどの場合は自然に治っていきます。頬の赤みが続くようであれば再度受診してください。

 

■気を付けていただきたいこと

・掻きむしらない

発疹にかゆみがある場合、お子さまが掻きむしってしまうことがあります。皮膚を傷付けないように爪を短く切っておきましょう。

・日差しを避ける

発疹が治まっていても、日光を浴びると再び出てきたり強くなったりすることがあります。特に、発疹が出ている時期に外で長時間遊ぶ場合は、日差しを避けるように帽子をかぶるなどして日差しを避けるようにしましょう。

・登園、登校時期

発疹が出現した時点では感染力はほとんどありません。そのため、お子さまが元気であれば、保育園や幼稚園、小学校に登園・登校しても問題ありません。ただし、独自の基準を設けている場合もありますので、事前に確認してください。

・妊婦さんとの接触

妊娠中の方が感染すると、赤ちゃんに影響が出ることがあります。特に妊娠初期の感染は注意が必要です。妊婦さんとの接触は、できるだけ避けるようにしてください。

 

伝染性紅斑は、多くの場合、重症化することなく自然と治っていきます。しかし、風疹やはしかなど伝染性紅斑と似た症状の病気もあります。頬や体に発疹が出た場合は早めに小児科を受診しましょう。